木曜日の雨と月

くらしを愛する

耳を澄ませる。

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コロナ禍になるまでは、有給を取ってひとりでふらっと鎌倉へ出かけるのが好きでした。

モーニングをして、気ままにお寺巡りをして、ランチを食べて帰ってくる。

そういう時間がなかなか取れなくなって、心の回復が遅くなった気がします。

誰かと過ごす時間も好きだけれど、ひとりで過ごすことで回復する何かがある。

私は何者でもない自分に戻る時間を求めているんだろうな。

母親でもなく、社会人でもなく、パートナーでもなく、娘でもなく、姉でもない、ただの自分。

ただの自分。

誰でも何かしらの役割を持っていて、それを一旦下ろして身軽になる時間がないと苦しくなっちゃうんじゃないのかな。

それが私にとってのひとり鎌倉散策。

私は何が好きかな?

何が食べたいかな?

どんな景色が見たいかな?

普段は聞こえなくなってしまっている自分の小さな小さな声が少しずつ聞こえるようになってくる。

今日はあのお寺でお花が見たい、今日はイタリアンが食べたいとか。

そうして、いかに役割を果たすことに一生懸命になっているか気づく。

本当は和食が食べたいけど、みんなが中華がいいっていうからそうしようとかお母さんなら子どもの希望を優先しなくちゃとか。

そういう毎日を繰り返しているうちに自分の声なんて聞こえなくなっていっちゃうんです。

本当ならいつだって自分の気持ちを優先してあげられたらいいけど、そうできないことが多いから、たまに私は私を優先してあげる時間を持たないと。

 

ただ、最近たとえそうできなかったとしても、まずは自分に自分の気持ちを聞いてみるようにしようと思うようになりました。

「◯◯したいんだね」とか「そういうふうに感じて(思って)るんだね」とか。

自分を無視せず、いつでも目をかけてあげるって大事なことなんじゃないのかな。

 

誰かを大切に思うのと同じくらい、自分のことも大切に思ってあげる。

 

自分にやさしく、人にやさしく。

まあるい気持ちでいられるように。

そうしたらきっと心の回復も早くなるんだと思います。